104E53

36歳の女性。2日前から出現した呼吸困難と茶褐色の喀痰とを主訴に来院した。半年前から時々喘鳴を伴う呼吸困難と咳嗽とが発作性に出現し、自宅近くの診療所で気管支拡張薬と副腎皮質ステロイド吸入薬とを処方されていた。意識は清明。体温37.0℃。脈拍96/分、整。血圧114/68 mmHg。全肺野にwheezesを聴取する。赤沈30 mm/1時間。血液所見:赤血球390万、Hb 11.2 g/dL、Ht 37%、白血球11,000(桿状核好中球3%、分葉核好中球41%、好酸球28%、好塩基球1%、単球2%、リンパ球25%)、血小板32万。血液生化学所見に異常を認めない。胸部エックス線写真(A)と経気管支肺生検組織のH-E染色標本(B)とを別に示す。
この病態に関与する免疫グロブリンはどれか。2つ選べ
IgA
IgD
IgE
IgG
IgM

解答: c,d

104E53の解説

2日前から出現した呼吸困難と茶褐色の喀痰とを主訴とする36歳女性。半年前から時々喘鳴を伴う呼吸困難と咳嗽とが発作性に出現しており、来院時も全肺野にwheezesを聴取することから気管支喘息を疑う。血液所見で好酸球増多があり、Aでは左上肺野で浸潤影を、Bでは粘液栓子とその内部の好酸球の浸潤を認めることから、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症〈ABPA〉を疑う。
a・b・e ABPAにIgA、IgD、IgMは関与しない。
c 正しい。ABPAはI型アレルギーが関わりIgEが関与する。
d 正しい。ABPAはIII型アレルギーが関わりIgGが関与する。

正答率:72%

テーマ:アレルギー性気管支肺アスペルギルス症〈ABPA〉の病態

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