103A29

65歳の男性。3日前から続く鼻出血を主訴に来院した。3週前から全身倦怠感を自覚している。皮膚は蒼白で紫斑と点状出血とを認める。血液所見:赤血球210万、Hb 7.2 g/dL、Ht 22 %、網赤血球0.1 %、白血球1,900(桿状核好中球1 %、分葉核好中球18 %、好酸球1 %、単球2 %、リンパ球78 %)、血小板0.8万。血液生化学所見:総蛋白8.1 g/dL、アルブミン4.2 g/dL、クレアチニン0.8 mg/dL、AST 32 U/L、ALT 26 U/L。骨髄生検H-E染色標本を別に示す。
治療として適切なのはどれか。3つ選べ
シクロスポリン投与
血小板輸血
免疫グロブリン大量投与
抗胸腺細胞グロブリン〈ATG〉投与
同種骨髄移植

解答: a,b,d

103A29の解説

高齢男性の鼻出血。汎血球減少があり、血小板が低下していることから鼻出血をはじめとした出血傾向がみられているものと思われる。画像にて骨髄の脂肪化が示されており、再生不良性貧血〈AA〉と診断する。AAは重症度分類の評価が重要。2万<網赤血球数<6万、200<好中球数<500、血小板数<2万より重症と判定される。
a 正しい。重症AAにはシクロスポリン投与が行われる。
b 正しい。血小板減少が著しく、主訴も出血傾向である。対症療法的ではあるが、血小板輸血をしたい。
c 免疫グロブリン大量投与は免疫性血小板減少性紫斑病〈ITP〉やGuillain-Barré症候群に用いられる。
d 正しい。重症AAには抗胸腺細胞グロブリン〈ATG〉投与が行われる。
e 同種骨髄移植が適応となるのは40歳未満である。
110A50の類題。

正答率:55%

テーマ:再生不良性貧血〈AA〉の治療

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