103A28

19歳の女性。半年前から出現した右眼の視力低下と1週前から続く易疲労感とを主訴に来院した。意識レベルはJCS I-3。身長162 cm、体重47 kg。体温36.2 ℃。脈拍72/分、整。血圧100/64 mmHg。頭部造影MRIのT1強調冠状断像(A)と矢状断像(B)とを別に示す。
認められるのはどれか。
外眼筋麻痺
味覚障害
片麻痺
尿崩症
難聴

解答: d

103A28の解説

19歳女性の視力低下と易疲労感。意識レベルも正常ではないようだ。本文からはこれ以上の情報は拾えないため、実質的に画像一発となる。A, Bともに視床下部下面〜下垂体の腫瘍を指摘可能。頭蓋咽頭腫が考えやすい。
a 本患者でみられている視力低下は視神経圧迫による。外眼筋麻痺は関係ない(そもそも外眼筋麻痺では眼球運動障害がみられるはず)。
b 顔面神経や舌咽神経は当該部位を走行しないため、味覚障害はみない。
c 錐体路も当該部位を走行しないため、片麻痺はみない。
d 正しい。頭蓋咽頭腫に尿崩症を合併しやすいことは重要事項である。
e 内耳神経は当該部位を走行しないため、難聴はみない。

正答率:90%

テーマ:頭蓋咽頭腫の合併症

フォーラムへ投稿

関連トピック