解決済 101D35 24.公衆衛生

尤度比に関して

普段、まずはオーソドックスに2×2の表で解いて、それから検算としてオッズの式でも算出しているのですが、
①「PSA増加と直腸診異常」の陽性尤度比→0.33/(1-0.99)=33
②「PSA増加」の陽性尤度比×「直腸診異常」の陽性尤度比→0.67/(1-0.97) × 0.50/(1-0.94)≒186
となり、なんでこの2つの積がこんなにかけ離れるんだ? と思い、質問しようとして調べてみると自己解決しました。

>”独立した”という意味は、例えば肝炎の診断で、[肝臓腫大の尤度比] x [検査値GOTの尤度比] x [GPTの尤度比] ということは、ダメであり相互に関連があり独立していないためです。
http://aihara.la.coocan.jp/?tag=%E8%A8%BA%E6%96%AD%E3%80%81%E5%B0%A4%E5%BA%A6%E6%AF%94

相互に関連のある検査値に関しては、それぞれの尤度を単純に掛け算していってしまうと検査後のオッズを過大評価してしまうこともあるのだと勉強になったので記しておきます。やっぱりスコアリングシステムのような全体の検査特性が実証されている検査セットのほうがこういった兼ね合いを考えず厳密で便利だと思いました(そもそも、この問題のように疫学的な有病率からスタートする場合は別として、検査前確率はセッティングや病歴聴取でも変わる110C1主観的な見積もりなので、数値だけを追いかけるのは微妙かもしれませんが)。

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  • 問題参照 101D35

    次の文を読み、35、36の問いに答えよ。
    58歳の男性。初めての人間ドックのため来院した。
    現病歴:3年前から排尿に時間がかかることがあった。
    既往歴:特記すべきことはない。
    現 症:意識は清明。身長168cm、体重65kg。体温36.3℃。脈拍72/分、整。血圧146/78mmHg。胸腹部と四肢とに異常はない。直腸診で前立腺に硬結を触知する。
    検査所見:尿所見:蛋白(-)、糖(-)、潜血(-)、沈渣に異常はない。血液所見:赤血球420万、Hb 13.8g/dL、Ht 41%、白血球6,200、血小板23万。血清生化学所見:空腹時血糖102mg/dL、総蛋白7.6g/dL、総コレステロール228mg/dL、AST 58U/L、ALT 45U/L。免疫学所見:CRP 0.2mg/dL、AFP l0ng/mL(基準20以下)、CEA 2.0ng/mL(基準5以下)、PSA 3.9ng/mL。
    この施設の人間ドックの統計によると、過去10年間で50歳以上の男性受診者15,000人で前立腺癌と診断された者が450人いた。この統計を検査前確率の算定に用いた。この施設のPSAの基準値は年齢毎に決められ、40~49歳2.5ng/mL以下、50~59歳3.5ng/mL以下、60~69歳4.5ng/mL以下、70~79歳5.5ng/mL以下である。前立腺癌の検査におけるPSA、直腸診および組合せ検査の感度と特異度とを調べた結果を表に示す。
    検査 感度 特異度
    PSA増加 0.67 0.97
    直腸診異常 0.50 0.94
    PSA増加または直腸診異常 0.84 0.92
    PSA増加と直腸診異常 0.33 0.99
    この患者が前立腺癌である検査後確率はどれか。
    • a 10%
    • b 33%
    • c 50%
    • d 75%
    • e 90%
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