112D48

28歳の女性。健診で胸部の異常陰影を指摘されたため来院した。胸部エックス線写真(A)と胸部CT(B)とを別に示す。

診断のために必要性が低い検査項目はどれか。

hCG
β-Dグルカン
可溶性IL-2受容体
α-フェトプロテイン〈AFP〉
抗アセチルコリン受容体抗体

解答: b

112D48の解説

若年女性の胸部異常陰影。画像ではAでは右肺門部付近に腫瘤影がみられる。Bより前縦隔腫瘍であることがつかめれば、110D29108I45105A58等で飽きるほど出題されているパターンの焼きまわしであることが分かるだろう。
a・d 胚細胞腫瘍の鑑別に有用。
b 誤り。この画像所見から真菌感染を考えることはない。
c 悪性リンパ腫の鑑別に有用。
e 重症筋無力症〈MG〉の背景となった胸腺腫の鑑別に有用。
※国試では「○年周期」という言葉がある。文字通り「これまで○年おきに出題されるから、次回くるかもね」と予想されやすい問題パターンだ。筆者は冗談半分で2017年度講座において「前縦隔腫瘍は2年周期だから、112回くるかもね!」と講義内でコメントしていた。コメントした当人もすでに忘却していたのであるが、112回の合格発表のタイミングで受講生の方から感謝された。偶然の可能性は否めないが、「○年周期」という都市伝説が実証された一例であった。信じるも信じないも、読者次第。

正答率:98%

テーマ:前縦隔腫瘍の診断に必要な検査項目

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