108B58

術後2日目、呼吸困難を訴えた。意識レベルはJCSII-10。体温38.0℃。脈拍120/分、整。血圧120/80mmHg。呼吸数30/分。SpO2 85%(room air)。眼瞼結膜と体幹皮膚に点状出血を認める。両側の胸部でcoarse cracklesとwheezesとを聴取する。心エコー検査で壁運動異常はなく、下大静脈の拡張もない。胸部エックス線写真を別に示す。
病態として考えられるのはどれか。
気胸
心不全
気管支喘息
脂肪塞栓症
肺血栓塞栓症

解答: d

108B58の解説

胸部エックス線では肺動脈の拡大と部分的な透過性の低下を認めている。「眼瞼結膜と体幹皮膚に点状出血を認める」とのことで、塞栓物質が全身に飛来している可能性が高い。骨髄には脂肪が豊富に含まれ、骨折により血中へ流出する。それにより脂肪塞栓の合併が多いことは覚えておきたい。
a 気胸は画像上みられていない。
b 心不全では胸部エックス線にて心拡大をみるはず。 また、心エコー所見も合致しない。
c 病歴に全く合致しない。
d 正しい。上記の通り。
e 術後の長期臥床による合併症として考えうるが、点状出血はみられない。

正答率:73%

テーマ:【長文3/3】脂肪塞栓症の診断

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