107H30

52歳の男性。大量飲酒を主訴に妻に伴われて来院した。23歳から飲酒を始め、10年前からは日本酒1升を毎日飲酒していた。この半年間は朝から飲酒し、食事量が減少し、仕事も休みがちになった。健康診断で肝機能障害を指摘されている。意識は清明で、静穏である。このままではいけないと説明したが、本人は「酒を飲まないと眠れない。酒はやめようと思えばやめられる」と述べている。
対応として適切なのはどれか。
節酒を勧める。
抗酒薬を妻に渡す。
抗精神病薬を処方する。
閉鎖病棟に入院させる。
自助グループへの参加を勧める。

解答: e

107H30の解説

アルコール依存症。本問とは関係ないが、CAGEテストを確認しておこう。2項目以上の該当でアルコール依存症の可能性が高いと診断される。
 ①飲酒量を減らさなければならないと感じたことがあるか(Cut down) 
 ②他人に飲酒を非難され気にさわったことがあるか(Annoyed by criticism)
 ③飲酒について罪悪感を感じたことがあるか(Guilty feeling)
 ④朝から飲むか(Eye-opener)
本症例では④が明記してあり、妻に伴われて来院していることから②も想像がつく。
a 節酒ではなく、断酒を勧める。
b 食事等に混入させて勝手に飲ませるのであろうか。あってはならないことである。
c アルコール依存症そのものには無効である。
d 静穏であり、閉鎖病棟である必要はない。
e 正しい。自助グループへ参加させ、断酒を目指す。

正答率:97%

テーマ:アルコール依存症患者への対応

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