106H31

次の文を読み、31、32の問いに答えよ。
63歳の男性。全身倦怠感と立ちくらみとを主訴に来院した。
現病歴:1か月前から食欲不振を自覚しており、体重が3kg減少した。今朝から全身倦怠感が強くなり、軽い悪心も自覚するようになった。1時間前、トイレに立とうとしたところ、目の前が暗くなり、ふらついた。しばらく横になっていると症状は改善したが、心配になったため家族の運転する車で受診した。
既往歴:51歳時から高血圧症で内服治療中。54歳時に腰椎椎間板ヘルニアの手術を受けている。
生活歴:喫煙は20本/日を43年間。飲酒は日本酒2合/日を40年間。
家族歴:父親が大腸癌のため81歳で死亡。
現 症:意識は清明。身長175cm、体重65kg。体温35.8℃。脈拍128/分、整。血圧94/68mmHg。呼吸数24/分。SpO2 98%(room air)。皮膚は冷たく湿っている。眼瞼結膜は貧血様である。頸静脈の怒張を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。
次に行うべき身体診察として適切なのはどれか。
眼底検査
温度眼振検査
握力検査
四肢の振動覚検査
直腸指診

解答: e

106H31の解説

現病歴から消化管出血を疑う。ショックバイタルを呈しており、緊急で対応が必要な状態である。
a 眼科疾患は疑わない。
b 末梢性めまいを疑う際に必要である。
c 脳梗塞などを疑う際に行う。
d 末梢神経障害を疑う際に行う。
e 正しい。Sims位にて行い出血の有無を確認する。

正答率:91%

テーマ:【長文1/2】消化管出血を疑う患者に行うべき身体診察

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