106B43

58歳の男性。2時間前に突然、右側の手足が動かしにくくなったことを主訴に家族に伴われて来院した。53歳時から職場の健康診断で高血圧を指摘されていたが、自覚症状がないためそのままにしていたという。意識は清明。体温36.4℃。脈拍84/分、整。血圧178/92mmHg。呼吸数16/分。SpO2 98%(room air)。右顔面神経不全麻痺を認める。右上下肢にBarré徴候と腱反射亢進とを認める。病的反射と感覚障害とを認めない。頭部CTには明らかな異常を認めない。緊急で頭部MRIを撮像することとした。
この患者の病変を描出できる可能性が高いのはどれか。
FLAIR像
T1強調像
T2強調像
T2*強調像
拡散強調像

解答: e

106B43の解説

右側の片麻痺と腱反射亢進を認め、左脳の異常が考えられる。2時間前の発症でCTに異常がないため脳出血は否定的であり脳梗塞と考えられる。急性期の脳梗塞の描出には拡散強調像〈DWI〉が最も適している。
a 水を黒く(低信号に)描出するT2強調像様の条件である。
b・c 基本となる条件である。水がT1で黒く、T2で白く(高信号に)描出されることを確認しておこう。
d 脳出血が黒く描出される像であり、微小出血の検出に優れる。
e 正しい。上記の通り。

正答率:82%

テーマ:脳梗塞急性期の病変を描出できる可能性が高いMRI条件

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