106I69

78歳の男性。右腰痛と立ちくらみとを主訴に来院した。今朝、居間でテレビを見ていたときに突然、右腰部に激痛を感じた。しばらくして痛みは軽快したものの、立ちくらみが出現したために受診した。65歳時に高血圧を指摘されたが受診はしていない。意識は清明。身長168cm、体重89kg。体温36.2℃。脈拍96/分、整。血圧102/68mmHg。呼吸数14/分。腹部に拍動性の腫瘤を触知する。尿所見:潜血(-)、白血球反応(-)。
次に行うべき検査として適切なのはどれか。
尿沈渣
腹部CT
腰椎MRI
静脈性腎盂造影
腹部エックス線撮影

解答: b

106I69の解説

右腰痛と立ちくらみを主訴に来院した78歳男性。腹部に拍動性の腫瘤を触知し、腹部大動脈瘤破裂を疑う。未治療の高血圧と肥満とを認め、動脈硬化のリスクを有している。
a 尿沈渣は尿管結石を疑う場合に行うが、本症例では優先度は低い。
b 正しい。腹部CTにて大動脈瘤の有無や出血の範囲を評価する。
c 腰痛の鑑別疾患として腰椎疾患は否定できないが、腹部大動脈瘤を強く疑っており腹部CTが優先される。
d 静脈性腎盂造影は尿路結石の評価で行う検査である。腰痛の鑑別疾患として尿路結石は挙がるが、腹部大動脈瘤を強く疑うため優先される検査ではない。
e 腹部エックス線撮影では大動脈瘤を正確に評価できない。

正答率:97%

テーマ:腹部大動脈瘤の切迫破裂に対する検査

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