106G59

次の文を読み、59~61の問いに答えよ。
17歳の女子。頭痛を主訴に母親に伴われて来院した。
現病歴:2日前から頭痛と発熱とがみられていた。頭痛は後頸部が突っ張るような感じで、次第に増強してきたという。咽頭痛や咳はない。悪心や腹痛はなく、排尿時痛もない。
既往歴:14歳時に虫垂炎で手術を受けた。薬物アレルギーはない。
家族歴:父親が高血圧症で内服加療中。
現 症:意識は清明。身長161cm、体重48kg。体温38.0℃。脈拍76/分、整。血圧116/70mmHg。呼吸数22/分。心音と呼吸音とに異常を認めない。項部硬直とjolt accentuationとを認める。
髄膜炎を疑い、腰椎穿刺(髄液検査)を予定した。
穿刺後の合併症として頻度が高いのはどれか。
頭痛
尿失禁
瞳孔不同
言語障害
下腿浮腫

解答: a

106G59の解説

頭痛を主訴とする17歳女子。項部硬直とjolt accentuationとを認めることから髄膜炎を考え、腰椎穿刺を予定したとのこと。腰椎穿刺の合併症について問う問題。
a 正しい。髄液吸引により低髄圧となり、頭痛をきたすことがある。腰椎穿刺後の合併症として最も考えられる。
b 尿失禁となりうるのは穿刺によって脊髄損傷をきたし、膀胱直腸障害となる場合だろう。しかし、頻度としては極めてまれである。
c 穿刺により髄圧変化をきたし、外転神経や動眼神経麻痺といった脳神経障害をきたすことはあるが瞳孔不同はみない。
d 穿刺による髄圧変化で、脳神経障害をきたすことはあるが、言語障害には影響はない。
e 下肢浮腫は血流障害やリンパ流障害が主な原因。穿刺による髄圧変化との関連はない。

正答率:90%

テーマ:【長文1/3】髄膜炎患者の腰椎穿刺後の合併症として頻度の高いもの

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