105E68

手術翌日、呼吸困難を訴えた。体温36.5℃。呼吸数24/分。脈拍100/分、整。血圧118/80 mmHg。FIO2 0.5で経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉90%。両側肺野で吸気時のcoarse cracklesと呼気時のwheezesとを聴取する。心エコー検査で明らかな異常を認めない。胸部エックス線写真を別に示す。
病態として最も考えられるのはどれか。
肺膿瘍
肺塞栓症
気管支喘息
うつ血性心不全
急性呼吸促迫症候群

解答: e

105E68の解説

敗血症と手術という侵襲の後に生じた呼吸困難。胸部エックス線ではびまん性の肺浸潤影がみられ、肺水腫の存在が疑われる。心エコー所見で明らかな異常を認めていないことから、非心原性の肺水腫である。SpO2が90%であり、PaO2は60Torrと見積もられる。ゆえにPaO2÷FiO2(P/F比)は60÷0.5=120と算出できる。中等症の急性呼吸窮迫症候群〈ARDS〉の診断。
a 画像上、膿瘍腔は指摘できない。
b 肺塞栓症では胸部エックス線所見で異常を認めない。また、心エコーにて右心負荷所見をみる。
c wheezesを認めている点は合致するが、びまん性の肺浸潤影は認めない。
d 心エコー所見で異常を認めるはずである。
e 正しい。上記の通り。

正答率:85%

テーマ:【長文3/3】急性呼吸窮迫症候群〈急性呼吸促迫症候群〉〈ARDS〉の診断

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