105C28

次の文を読み、28、29の問いに答えよ。
19歳の女性。交通事故で受傷したため搬入された。
現病歴:軽乗用車を運転中に電柱に衝突した。事故から15分後に救急隊が到着したときには呼びかけに反応しなかった。
既往歴:12歳時に髄膜炎で入院治療を受けた。
家族歴:父親が糖尿病と高血圧症。
現 症:意識レベルはJCS I-3。瞳孔径は両側3.5mmで、対光反射は迅速である。呼吸数20/分。脈拍112/分、整。血圧110/70mmHg。顔面右側の変形と右眼周囲の皮下血腫とを認める。透明な後鼻漏を認める。右鎖骨骨折を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟。四肢に麻痺を認めない。
検査所見:血液所見:赤血球348万、Hb 10.8g/dL、Ht 32%、白血球9,500、血小板16万。血液生化学所見:血糖110mg/dL、総蛋白7.0g/dL、アルブミン4.0g/dL、尿素窒素12mg/dL、クレアチニン0.5mg/dL、AST 24U/L、ALT 42U/L、LD 253U/L(基準176~353)、ALP 140U/L(基準115~359)、Na 138mEq/L、K 4.2mEq/L、Cl 104mEq/L、Ca 9.8mg/dL。CRP 1.2mg/dL。
頭部単純CT(A、B)を別に示す。
考えられる病態はどれか。
気脳症
脳梗塞
水頭症
脳内出血
テント切痕ヘルニア

解答: a

105C28の解説

交通外傷の2連問。まずは頭部単純CTの読解である。
a 正しい。画像A, Bともに脳内のair像(黒い部分)を認める。気脳症と呼ぶ状態である。
b 交通外傷を契機にきたしやすい病態ではない。むろん、画像でも指摘できない。
c 水頭症であれば脳室の拡大をみる。
d 脳内出血であれば高吸収域をみる。
e テント切痕ヘルニアの診断にはもっと下のスライスが必要となる。画像では判断付かない。

正答率:95%

テーマ:【長文1/2】気脳症のCT読影

フォーラムへ投稿

関連トピック

なし