103E52

60歳の男性。顔面と上肢とのむくみを主訴に来院した。1か月前から、ワイシャツの首のボタンをかけるのが苦しくなり、時計バンドがきつくなった。家族から顔面のむくみを指摘された。喫煙は40本/日を40年間。顔面と両上肢とに浮腫を認める。両側頸静脈の怒張と胸部から上腹部にかけての静脈怒張とを認める。下肢に浮腫を認めない。
考えられるのはどれか。
肝腫大を認める。
胸部浅在静脈の血流は末梢に向かう。
超音波検査で下大静脈は拡大している。
Valsalva試験で頸静脈の怒張は軽減する。
下肢から輸液をすると頸静脈怒張は増強する。

解答: b

103E52の解説

顔面と上肢とのむくみを主訴とする60歳男性。顔面と両上肢とに浮腫を認め、両側頸は静脈の怒張と胸部から上腹部にかけての静脈怒張とを認める。下肢には浮腫を認めないことから上大静脈症候群を考える。喫煙歴を有することから、肺癌の合併症を考える。
a 下大静脈はうっ滞しないため、肝腫大はきたさない。
b 正しい。胸部浅在静脈の血流は末梢に向かう。
c 下大静脈のうっ滞は認めない。
d Valsalva試験により胸腔内圧を上昇させることで静脈還流量を低下させる。したがって頸静脈怒張は軽減ではなくむしろ増強する。
e 下大静脈と右房に交通障害はないため、下肢から輸液で頸静脈怒張は増強しない。

正答率:52%

テーマ:上大静脈症候群について

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