100F49

66歳の男性。起床後、洗顔中に突然右半身の脱力をきたし、転倒したため救急車で搬入された。65歳の定年まで元気に仕事をしていた。意識はJCS I-1。脈拍84/分、整。血圧154/90mmHg。頸部血管雑音はなく、胸腹部に異常を認めない。神経学的所見では左への共同偏視、右片麻痺および失語を認める。発症1.5時間後に撮影した頭部単純CT(A、B)を別に示す。
診断はどれか。
脳塞栓症
ラクナ梗塞
硬膜下血腫
くも膜下出血
静脈洞血栓症

解答: a

100F49の解説

高齢男性に突然出現した右半身の脱力。左への共同偏視、右片麻痺および失語といった症状より、左脳の脳梗塞を疑う。画像はA, Bともにearly CT signであり、左側頭葉を中心とした低吸収域と脳溝の減少を指摘可能。
a 正しい。選択肢の中では脳塞栓症が最も考えやすい。脈拍は整であるが、突発性に心房細動〈AF〉が出現した可能性もある。
b ラクナ梗塞では階段状増悪をみるも、本患者のように突然の発症はみない。
c 硬膜下血腫では三日月型の血腫を指摘可能。
d くも膜下出血では脳底槽などくも膜下腔に高吸収域が指摘可能。
e 静脈洞血栓症では静脈血の流出障害により脳浮腫をみる。本症例のような突発する虚血症状はみない。

正答率:67%

テーマ:脳塞栓症の診断

フォーラムへ投稿

関連トピック

なし