解決済 100D43 07.循環器

うっ血性心不全?

問題文では肺うっ血はあるものの頸静脈怒張や下腿浮腫は無く、明らかに全身性浮腫が無いかのように受け取れる記述があります。解答はうっ血性心不全を選択させるものですし、他のどの選択肢も該当するとは思えないのでこれでいいのでしょうが、そもそもテキストでは「心不全により血流が全身にうっ滞した状況をうっ血性心不全と呼ぶ。」とあります。

そこで質問です。「心不全により血流が全身に鬱滞していない状況=うっ血性心不全ではない心不全」とはどんな状況なのでしょうか?いまいち良く分かりません。
というかどうにもこの「うっ血性心不全」というよく使われる言葉の理解が恥ずかしながら出来ておりません。心不全なんてみんな血流鬱滞するだろうと頭の悪い理解をしておりました。

よろしければ御教示ください。

回答9件

  • いわゆるクリニカルシナリオ(CS)1の状態があてはまるかと存じます。
    後負荷が急に増大(目安として収縮期血圧≧140)したことで、心拍出できず肺うっ血をきたします。この場合静脈還流は滞りませんので心不全ですが全身の浮腫は目立ちません。
    お答えになっていれば幸いです。

    • 御返信御回答ありがとうございます。
      だとすれば問題の解答はうっ血性心不全だと矛盾しませんか?

  • 急性,慢性心不全診療ガイドラインでは、急性心不全の病態は大きく分けて
    ①心原性肺水腫
    ②全身的な体液貯留
    ③低心拍出による低灌流
    の3つに分類されると記載されています。おそらく①は後負荷の増大によるもの、②は前負荷の増大によるものであると思います。言わゆるうっ血性心不全のうっ血というのは肺うっ血を指すものだと思われますので、この中の①、@こちさんが仰ったようにCSで言えば1に該当します。言い換えれば、②、③(CSでも2、3)の病態では“うっ血”は原則きたさないということになるかと考えます。
    この患者さんは主訴が呼吸困難で、血圧は高く、浮腫や頸静脈怒張といった体液貯留を示唆する所見が見られないため、CS1、言わゆるうっ血心不全であることに矛盾はないと思います。

    • 返信及び御回答ありがとうございます。
      うっ血性心不全のうっ血が肺うっ血を表すのであれば話はすっきりするのですが、本講座のテキストをもう一度良く見返してみましょう「心不全により血流が全身にうっ滞した状況をうっ血性心不全と呼ぶ。」とあります。わざわざご丁寧にDr.穂澄は「血流が全身にうっ滞した状況」と記載しています。それが正しいとすれば、この問題の解答にはやや矛盾が残るように思えます。

  • すみません。よく考えたら問題解決しました。ようするにうっ血性心不全では無い状態とはForrester3群などで乏血性に心不全を来している場合などが合致すると言うことでは無いでしょうか?この場合は血流の鬱滞は無いでしょうから、合致します。でもそう考えるとテキストにおけるDr.穂澄のうっ血性心不全の定義は間違っているのかも知れません。そもそもそんな記述をこれまで成書ではみたことがありません。

    • いえ、言葉足らずでしたがあくまで上のコメントで説明したのはこの症例での“うっ血”の病態であり、つまり肺の血管がうっ血状態になった場合、この症例のように肺うっ血となり、言わゆる心原性肺水腫の病態をきたします。また全身の静脈がうっ血状態になった場合は血流が全身にうっ滞するということになります。そうすると静脈圧の上昇により浮腫が出現したり、頸静脈が怒張したりします。これらを総称して“うっ血性心不全”と呼んでいるのだと思います。そうすると上述の②の病態でも“うっ血”をきたしそうですね。

  • こちさんの回答が全てだとおもうのですが、
    左室の駆出が低下した結果、それ以前の血流は鬱滞します。
    これを既にうっ血と呼びますが、これによって肺うっ血を最初にきたし肺水腫となり、そこから中心静脈や、肝臓、、、と広がっていきます。
    穂積先生の解説が全てというわけでもないとは思いますが、テキストや講義でも穂積先生はこのように述べていると思いますよ。

    • 一応まとめておくと、全身がうっ血していてなくても良いのです。

コメントを投稿する

ログインするとコメントを投稿することができます。

  • 問題参照 100D43

    次の文を読み、43、44の問いに答えよ。
    78歳の女性。夜間の呼吸困難のため救急車で搬入された。
    現病歴:2年前から労作時の息切れを自覚していた。昨晩、就寝2時間後息苦しくなり、ふとんの上で座ると少し楽になるものの、息苦しさが持続している。
    既往歴:56歳から高血圧症で加療中である。
    現 症:意識は清明。身長154cm、体重60kg。体温36.6℃。呼吸数24/分。脈拍108/分、整。血圧184/110mmHg。貧血と黄疸とを認めない。頸静脈怒張を認めない。心音は奔馬調律。両側下肺野にcoarse cracklesを聴取する。下腿に浮腫を認めない。
    検査所見:尿所見:比重1.024、蛋白(-)、糖(-)、潜血(-)、沈渣に異常を認めない。血液所見:赤血球360万、Hb 12.2g/dL、Ht 35%、白血球8,900、血小板19万。血清生化学所見:尿素窒素24mg/dL、クレアチニン1.2mg/dL、AST 28U/L、ALT 30U/L、LD 317U/L(基準176~353)、CK 108U/L(基準10~40)、Na 139mEq/L、K 4.5mEq/L、Cl 105mEq/L。胸部エックス線写真を別に示す。
    診断はどれか。
    • a 喘息
    • b 胸膜炎
    • c 自然気胸
    • d 大動脈解離
    • e うっ血性心不全
  • 関連トピック

    なし