解決済 104C28 08.消化管

大腸憩室炎の腹膜への炎症波及

私のイメージでは、腹膜まで炎症が波及したときは腹膜炎までいっているからopeすると思っていました。
局所限局型の腹膜炎ならopeでなく抗菌薬治療を行っていくのでしょうか?

この症例では、WBC13000、CRP4.8ということと、主訴的にもそんなに炎症所見の甚だしさがないということで、抗菌薬のチョイスということでよいのでしょうか?

回答3件

  • 学生の意見ですが,
    炎症が局所であることから,抗菌薬の投与でいいかなと思いました。
    例えば虫垂炎で炎症が腹膜まで波及していても,まずは抗菌薬を行くと思います。
    また,最近問われるように「まず」行う対応と考えれば,抗菌薬>手術ですかね。
    解説にもあるように,まずは抗菌薬で様子を見る,というのが良いのでしょう。

    また,急性腹症ガイドラインに関する記事(https://www.jstage.jst.go.jp/article/jaem/37/4/37551/pdf )のp553の,ステップ2「手術/IVRの必要性の評価」欄の
    3.手術を要する病態の有無
     ・出血
     ・臓器の虚血
     ・汎発性腹膜炎
     ・臓器の急性炎症
    の記載からも,本症例でいきなり開腹手術(緊急ope)は違うかなと思いました。 

  • わかりやすい解説ありがとうございました。
    ガイドラインも参考にさせてもらいます。

  • Hinchey分類という,憩室炎の分類があります。
    それに従えば,限局性腹膜炎であれば抗菌薬で治療し,手術はしないことになります。
    汎発性腹膜炎では死亡率が上昇(stage3で約13%だそうです)するので,手術適応になると解釈しております。

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  • 問題参照 104C28

    次の文を読み、28、29の問いに答えよ。
    55歳の女性。右下腹部痛を主訴に来院した。
    現病歴:5日前から毎日就寝前に右下腹部痛が出現したが、中途覚醒はせず、起床時には軽快するため放置していた。本日朝は腹痛が軽快しないため来院した。経過中発熱はない。便通1回/日。
    既往歴:18歳時に卵巣嚢腫で右卵巣摘出術、28歳時に帝王切開で出産、37歳時に急性虫垂炎で虫垂切除術。
    生活歴:特記すべきことはない。
    家族歴:特記すべきことはない。
    現 症:意識は清明。体温36.8 ℃。脈拍80/分、整。血圧102/68 mmHg。頭頸部と胸部とに異常を認めない。腹部は平坦で、肝・脾を触知しない。McBurney点の約4 cm頭側を中心に圧痛があり、同部位に限局して筋性防御と反跳痛とを認める。かかと落としにて腹痛は増強する。
    検査所見:尿所見:潜血(-)、白血球反応(-)。血液所見:赤血球421万、Hb 12.2 g/dL、Ht 38 %、白血球13,000(桿状核+分葉核好中球71 %、好酸球2 %、好塩基球0 %、単球5 %、リンパ球22 %)、血小板26万。血液生化学所見:血糖107 mg/dL、アルブミン3.9 g/dL、尿素窒素8.6 mg/dL、クレアチニン0.8 mg/dL、総ビリルビン0.6 mg/dL、AST 13 U/L、ALT 12 U/L、LD 196 U/L(基準176~353)、ALP 289 U/L(基準115~359)、Na 136 mEq/L、K 4.6 mEq/L、Cl 106 mEq/L。CRP 4.8 mg/dL。腹部造影CTを別に示す。
    炎症が進展している部位はどこまでか。
    • a 消化管粘膜固有層
    • b 消化管筋層
    • c 消化管漿膜(臓側腹膜)
    • d 壁側腹膜局所
    • e 壁側腹膜全体
  • 関連トピック

    なし