解決済 106D41 01.腎

血糖コントロールのよい糖尿病性腎症、経口糖尿病薬からインスリン治療に変更することはあるのか

この症例ではコントロールのよい糖尿病であり、インスリン治療までするのは必要ないとのことでした。
経口糖尿病薬はCKDにはあまり使いたくない薬剤であり、今回はどうなのか考えました。
58歳男性で、クレアチニン 0.9 mg/dL より、eGFRが67.9 (G2) で、蛋白尿が3+であることから、CKDステージがIIIとなります。

低血糖症状はなさそうだが、予防的にインスリン治療を開始するということはあるでしょうか?

回答2件

  • eGFR67.9ならまだビグアナイドを控えるほどでもないかと思います。
    蛋白尿はARB使えば下がってくるので改善しうるCKDステージで治療薬が制限されてしまうのもどうかと思います。
    基本的には低血糖があるならまずは薬物の減量もしくは低血糖を起こしにくい経口薬への変更から始めるべきで、いきなりインスリンに切り替えようとはならないと思います。

  • 経口血糖降下薬を使用、コントロールできなければインスリンの使用というのが腎臓が良くても悪くても基本となります。(血糖が高すぎて糖毒性がありそうな場合はインスリン強化療法から入ることもありますが・・・)
    ビグアナイドやピオグリタゾンなどは一般的なCKD患者では使わない方が無難と思いますが、この症例ではSGLT2などはむしろ積極的に使用すべきだと思います。メトグルコについても添付文書上の禁忌はeGFR30以下となっているのでこの症例でも使用は可能だと思います。

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  • 問題参照 106D41

    58歳の男性。1か月前からの下腿の浮腫を主訴に来院した。5年前に健康診断で糖尿病と高血圧症とを指摘されたため、自宅近くの診療所で食事療法の指導を受け、経口糖尿病薬とカルシウム拮抗薬とを処方されている。眼底検査で明らかな異常を指摘されていないという。意識は清明。身長166cm、体重70kg。体温36.4℃。脈拍84/分、整。血圧142/88mmHg。呼吸数14/分。眼瞼と下腿とに浮腫を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。神経学的所見に異常を認めない。尿所見:蛋白3+、潜血1+、沈渣に赤血球1~4/1視野、白血球1~4/1視野。血液所見:赤血球480万、Hb 15.1g/dL、Ht 46%、白血球5,000、血小板30万。血液生化学所見:空腹時血糖98mg/dL、HbA1c 6.0%(基準4.3~5.8)、総蛋白4.6g/dL、アルブミン2.5g/dL、尿素窒素16mg/dL、クレアチニン0.9mg/dL、総コレステロール300mg/dL。腎生検のPAM染色標本を別に示す。
    治療として適切なのはどれか。
    • a 免疫抑制薬の投与
    • b ワルファリンの投与
    • c インスリン治療の導入
    • d 副腎皮質ステロイドの経口投与
    • e アンジオテンシンII受容体拮抗薬の投与
  • 関連トピック

    なし