解決済 109A40 01.腎

ACE阻害薬と腎機能障害

平素よりお世話になっております。
問題とは少しずれてしまうのですが、解説の中で「腎保護のためにACE阻害薬やARBを使用する」とあります。
しかし、本症例においてはCr 2.8mg/dL eGFR 19.6でありG4に分類されると考えた場合、高度な腎機能障害を合併しているのでACE阻害薬やARBは使いにくいのではないかと考えました。
選択肢は「降圧薬の投与」となっているので、気にしなくていい部分のような気はしますが、実際はどのような降圧薬を使用するのがベストなのか気になってしまいました。
どなたか教えていただきたいです。
よろしくお願いします。

回答2件

  • 慢性腎不全の治療ガイドラインにおいては、以下のように記載されています。

    第一選択薬➡︎RA系抑制薬
    血清カリウム5.5未満を維持可能な場合、少量より漸増で投与を考慮しても良い(利尿薬の投与後)

    ・ すでに腎機能低下(特に血清クレアチニン 2 mg/dL以上)がある場 合,稀に投与開始時に急速に腎機能が悪化したり,高 K 血症に陥る 危険性があるので低用量から慎重に開始する
    ・ 腎保護作用が認められ,副作用がない限り使い続ける
    ・ 蛋白尿を伴わないCKDに対してはRA系抑制薬の腎保護作用は確立していない

    利尿薬はガイドライン上では腎機能低下例ではループ利尿薬が第一選択のようです。
    心血管疾患のリスクがある場合はカルシウム拮抗薬の推奨のようです。

    実臨床においては、薬のメリットデメリットを加味して使用する、という原則に従った解説であると思います。
    本症例においてはカリウムがまだ上限値に達しておらず、使用可能かと考えられます。
    最後の文章にループ利尿薬投与との記載もありますね。

    • タフィー賢人さん、ありがとうございます。
      カリウムの面からのアプローチは考えたことがなかったので勉強になりました。

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  • 問題参照 109A40

    58歳の男性。全身倦怠感と息切れとを主訴に来院した。1か月前から休息しても改善されない全身倦怠感と息切れとが出現し、次第に増強していた。10年前から糖尿病と高血圧症とを指摘され治療を受けていたが、仕事が多忙なため半年間受診しておらず、薬を服用していなかった。身長170cm、体重75kg(2か月前は71kg)。脈拍88/分、整。血圧168/102mmHg。顔面と下腿とに浮腫を認める。尿所見:蛋白3+、糖2+、潜血(±)。血液所見:赤血球320万、Hb 8.2g/dL、Ht 25%、白血球8,200、血小板12万。血液生化学所見:総蛋白5.8g/dL、アルブミン2.8g/dL、尿素窒素32mg/dL、クレアチニン2.8mg/dL、尿酸7.8mg/dL、血糖220mg/dL、HbA1c 7.8%(基準4.6〜6.2)、Na 132mEq/L、K 4.8mEq/L、Cl 98mEq/L、Ca 7.2mg/dL、P 5.8mg/dL。CRP 0.3mg/dL。胸部エックス線写真で肺うっ血と心拡大とを認める。ループ利尿薬を静脈内投与し浮腫の改善を認めた。
    腎不全の進行防止のため次に行う治療として最も適切なのはどれか。
    • a 血液吸着
    • b 赤血球輸血
    • c 降圧薬の投与
    • d 生理食塩液の点滴
    • e アルブミン製剤の投与
  • 関連トピック

    なし