解決済 102I52 04.免疫

上下肢の深部腱反射減弱

RAに環軸椎垂直亜脱臼を合併した症例ですが、上下肢の深部腱反射が減弱しているのはなぜでしょうか。しびれも主訴として出現しており、下位運動ニューロンもしくは脊髄前角の障害があるのでしょうか。

回答1件

  • 上位MNが障害されているとしたら、深部腱反射が亢進してしかるべきと確かに思ってしまいそうですね。
    いくつか可能性として考えてみたのは、
    ①脊髄ショックの可能性:脊髄外傷、脊髄の急激な血流障害、あるいは脊髄手術などの二次的障害において、弛緩性対麻痺(または四肢麻痺)をきたすことがあります。このような錐体路性の筋緊張減退(筋脱力+筋緊張減退)のことを「弛緩性flaccidity」というそうです。
    この弛緩性麻痺は脊髄病変が軽快するに伴って漸次回復し、次第に腱反射が出現して、ついで亢進してくるとされています。
    ②延髄圧迫に伴って延髄網様体を障害した場合、弛緩性麻痺が生じることもあるようです。
    ③小脳にまで障害が及んでいたら、小脳障害に伴う小脳性緊張低下が生じ得ます(この場合障害側と同側の被動性亢進、懸振性の亢進が認められ、伸展性には変化は認められないのが特徴です)。
    蛇足ですが、そこそこ有名?なHolmes-Stwart試験(力こぶをつくってもらってこれに抵抗した手を検者が離すと、小脳障害のある患者さんは勢い余って自分の胸を叩いてしまう現象)においては、拮抗筋の筋緊張の低下によるとされているようです。

    【用語の確認】
    被動性:受動運動での抵抗減弱のこと
    懸振性:関節より近位部を検者が持って揺すると、それに応じてその関節より遠位部の肢節が振り子のように揺れ動くこと。筋緊張が亢進している場合遠位部の揺れが減少し、時にはこわばって揺れが認められない。筋緊張が減弱している場合遠位部の揺れが増大する、とされているようです。

    もし全く間違えていることを言ってたらごめんなさい。

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  • 問題参照 102I52

    51歳の女性。頭痛、四肢しびれ及び息苦しさのため搬入された。就眠前に洗顔しようとして強い後頭部痛としびれとを自覚し、次第に息苦しくなったため、家族が救急車を要請した。6か月前から時々後頭部痛と四肢のしびれとを感じていたが、臥床すると改善するため医師には相談しなかった。19年前から関節リウマチの診断で抗リウマチ薬を内服している。意識は清明。体温36.5℃。呼吸数20/分、整。脈拍76/分、整。血圧140/72mmHg。胸部と腹部とに異常を認めない。四肢は動かせるが、坐位は困難である。上下肢の深部腱反射はやや低下している。頸椎前屈位および後屈位のエックス線単純写真側面像(A、B)と頸椎単純MRIのT2強調矢状断像(C)とを別に示す。当直医は本人と家族とに突然死の危険があることを説明し、入院を勧めた。
    その根拠となったのはどれか。
    • a 小脳嵌頓
    • b 頸髄腫瘍
    • c 垂直亜脱臼
    • d 頸椎すべり症
    • e 頸椎椎間板ヘルニア
  • 関連トピック

    なし