覚えておくと役に立つマニアック基準値

一般的に覚えておくべき基準値ではないため巷にあまり掲載されていないも、知っておくと問題がかなり解きやすくなる基準値をリストアップしておきます。ただでさえ覚えることが多い世界で大変なのですが、余力がある方はこれらも覚えてから試験本番に臨むとよいでしょう。

前立腺肥大症〈BPH〉

・前立腺体積:20ml以下=正常or軽症、20〜50ml=中等症、50ml以上=重症
 (記載上は、くるみ大=正常or軽症、小鶏卵大=中等症、鶏卵大以上=重症)
・残尿量:50ml以下=軽症、50〜100ml=中等症、100ml以上=重症
・最大尿流率:15ml/秒以上=軽症、5〜15ml/秒=中等症、5ml/秒以下=重症
【参考問題】109E57, 108A47, 108I68, 106A21


リストアップすべき疾患

フェリチンの高度上昇

(1) 成人Still病
(2) 血球貪食症候群
(3) ヘモクロマトーシス


ANCAが上昇する疾患

(1) MPO-ANCA
  ・顕微鏡的多発血管炎〈MPA〉
  ・好酸球性多発血管炎性肉芽腫症〈EGPA〉
    〈アレルギー性肉芽腫性血管炎〉
    〈Churg-Strauss症候群〉
(2) PR3-ANCA
  ・多発血管炎性肉芽腫症〈GPA〉
    〈Wegener肉芽腫〉


補体低値となる腎疾患

(1) (溶連菌感染後)急性糸球体腎炎
(2) 膜性増殖性腎炎〈MPGN〉
(3) ループス腎炎


非圧痕性浮腫をきたす疾患

(1) 甲状腺機能低下症(橋本病)
(2) リンパ浮腫
(3) Basedow病における前脛骨部粘液水腫
(4) 浮腫性硬化症(» See 107A6

脳CT/MRIでring enhancementをみる疾患

(1) 脳膿瘍 →炎症反応が強い。
(2) 癌の脳転移 →原発巣についての記載あり。
(3) 膠芽腫〈グリオブラストーマ〉 →生検にて血管増殖や偽柵状壊死あり(» See 109D41)。


役に立つスコアリング・覚え方など

CHADS2 score

心房細動における脳梗塞発症リスクの評価スコア。
Congestive heart failure(うっ血性心不全)→1点、Hypertension(高血圧)→1点、Age(75歳以上)→1点、Diabetes Mellitus(糖尿病)→1点、Stroke(脳梗塞や一過性脳虚血発作〈TIA〉)→2点、の合計点で評価する。
2点以上にて抗凝固薬投与が推奨されている。


1日アルブミン排泄量のクレアチニン補正

健常人の1日のクレアチニン排泄量を1,000mgと設定し、随時尿のクレアチニン濃度をCr mg/dLとすると、1日尿量は1000/Cr dL(=1/gCr dL)となる(見やすさのため、g=1000mgで単位変更して通分)。
随時尿の微量アルブミン量をXmg/dLとすると、1日の尿中微量アルブミン量は、Xmg/gCrとなる。XとCrは随時尿で測定可能なため、あえて1日蓄尿せずとも、1日のアルブミン排泄量が推定できることとなる。


Glasgow Coma Scale〈GCS〉

・開眼機能〈eye opening〉
 4点:自発的に開眼する。
 3点:強く呼びかけると開眼する。
 2点:痛み刺激にて開眼する。
 1点:痛み刺激でも開眼しない。
・言語機能〈verbal response〉
 5点:見当識あり。
 4点:会話はできるも、意味が通らない。
 3点:発語はみられるも、会話は成立しない。
 2点:意味のない発声のみみられる。
 1点:発語なし。
 ※挿管などで発声が出来ない場合は「T」と表記し、V1として扱う。
・運動機能〈motor response〉
 6点:命令に従える。
 5点:痛み刺激に対し、手で払いのける。
 4点:痛み刺激に対し、四肢を引っ込める。
 3点:除皮質硬直(屈曲運動)
 2点:除脳硬直(伸展運動)
 1点:運動なし。
 ※運動麻痺の存在下で左右差がある場合は、成績の良い方を採用する。


Japan Coma Scale〈JCS〉

・1桁
 0:意識清明
 1:意識清明とは言えないが、見当識は保たれている。
 2:見当識障害あり。
 3:自分の名前、生年月日が言えない。
・2桁
 10:普通の呼びかけで開眼。
 20:大声や強い揺さぶりで開眼。
 30:痛み刺激にて開眼。
・3桁
 100:痛み刺激に対し、手で払いのける。
 200:痛み刺激に対し、手足を動かしたり、顔をしかめたりする。
 300:痛み刺激にも反応しない。


市中肺炎の入院適応を決めるスコア

・CURB65
 ①見当識障害(Confision)
 ②尿素窒素〈BUN〉>20mg/dL(Uremia)
 ③呼吸数≧30/分(Respiratory rate)
 ④血圧≦90/60mmHg(Blood pressure)
 ⑤65歳以上(65)
 各1点で評価し、2点以上で入院適応。
 ※血圧は収縮期と拡張期いずれか満たせばよい。また拡張期を50mmHgと示す文献もある。

・A-DROP
 ①男性≧70歳・女性≧75歳(Age)
 ②尿素窒素〈BUN〉≧21mg/dL or 脱水あり(Dehydration)
 ③SpO2≦90% or PaO2≦60Torr(Respiration)
 ④意識障害あり(Orientation)
 ⑤収縮期血圧≦90mmHg(Pressure)
 各1点で評価し、1~2点で外来または入院(3点以上で入院必須)。