112F52

75歳の女性。3か月前から持続する血便と食欲不振の精査のため大腸内視鏡検査を行ったところ上行結腸癌と診断された。手術を受けることに対しての不安が強い。身長150cm、体重46kg。3か月間に5kgの体重減少があった。体温36.2℃。脈拍72/分。血圧120/60mmHg。呼吸数12/分。眼險結膜は軽度貧血様である。胸腹部エックス線写真と腹部CTとで他臓器への転移や閉塞を思わせる腸管拡張や腹水貯留を認めない。

この患者の周術期管理として適切なのはどれか。

栄養サポートチーム〈NST〉への依頼は不要である。
術直前の抗菌薬投与は行わない。
術前4時間までの飲水は許可する。
術前中心静脈栄養を行う。
術後72時間以上はベッド上安静とする。

解答: c

112F52の解説

手術を受けることに対しての不安が強い高齢女性。周術期管理についての総合問題。
a 消化管の手術であり、術後栄養不良とならないようにNSTの介入を依頼する。
b 感染リスクを減らすべく、術直前の抗菌薬投与は必要である。
c 正しい。全身麻酔中に嘔吐した場合誤嚥、窒息のリスクがある。これを予防すべく、術前4時間は飲水制限を行う。
d 食欲低下はあれども経口摂取可能と考えられる。原則として経口摂取可能な患者に中心静脈栄養は行わない。
e 長期臥床は肺血栓塞栓症や廃用のリスクである。早期離床を勧める。

正答率:62%

テーマ:上行結腸癌手術の周術期管理について

フォーラムへ投稿

関連トピック

なし