111I30

心室中隔欠損症によるうっ血性心不全と肺高血圧症を伴う4か月の乳児について、適切な治療方針はどれか。2つ選べ

利尿薬の投与
β遮断薬の投与
高濃度酸素の投与
肺血管拡張薬の投与
1歳未満での開胸修復手術

解答: a,e

111I30の解説

a 正しい。うっ血が存在するため、利尿薬は有効である。
b β遮断薬は心収縮を低下させる作用がある。肥大型心筋症〈HCM〉等でリモデリング抑制を図る際には有用であるが、心室中隔欠損症〈VSD〉によるうっ血性心不全には無効。
c 低酸素を呈したケースでも、低流量の投与でよい。いきなり高濃度酸素を投与する必要はない。
d 本選択肢を選んでしまう者が多い。「肺高血圧があるのであれば、血管を拡張させればよいのでは?」と考えてしまうためだ。しかしよく考えよう。VSDによる肺高血圧は左心不全を背景とした肺うっ血が主病態だ。この状況で肺血管を拡張したら、肺にさらに血液が貯留してしまう。不適切な対応である。
e 正しい。肺高血圧を呈した場合、Qp/Qsが2.0を超えた場合、また漏斗部欠損型で大動脈弁閉鎖不全症〈AR〉を合併した場合などでは1歳未満でも開胸修復手術の適応となる。
※VSDの手術適応については110D1で出題あり。こちらもセットで確認しておこう。

正答率:35%

テーマ:心室中隔欠損症〈VSD〉の治療方針

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