111E49

48歳の男性。職場の健康診断で産業医との面談を勧められて訪れた。自覚症状はない。既往歴に特記すべきことはない。仕事はデスクワークで喫煙は20本/日を28年間。飲酒は日本酒4合/日を25年間。運動不足で食事は塩辛いものを好む。健康診断では身長174cm、体重65kg。血圧148/92mmHg。血液生化学所見:AST 28U/L、ALT 32U/L、γ-GTP 48U/L(基準8〜50)、クレアチニン0.9mg/dL、血糖98mg/dL、HbA1c 5.8%(基準4.6〜6.2)、トリグリセリド148mg/dL、HDLコレステロール40mg/dL、LDLコレステロール122mg/dL。

定期的な運動と禁煙の勧奨に加えて食事指導を行う場合、1日当たりの摂取量の組合せで適切なのはどれか。

摂取エネルギー(kcal) 食塩(g) 純アルコール(g)
1,600 8 20
2,000 4 60
2,000 8 20
2,000 14 20
2,600 8 60

解答: c

111E49の解説

中年男性の食事指導内容を問う、典型問題。記載内容から1つ1つ詰めていく。
・摂取エネルギー:身長174cmであるため、標準体重は66.6kg。仕事がデスクワークであることから、25〜30を乗じよう。25を乗ずると1,665kcal、30を乗ずると1,998kcalになる。選択肢の中では2,000が最も近い。
・食塩:血圧148/92mmHgとI度高血圧が存在するため、6g以下で指導したい。
・純アルコール:日本酒4合/日は多すぎる。年齢や性別によらず、20gで指導したい。
ただここで困ったことが生じる。食塩6g以下を満たす選択肢は1つしかないのだが、これは純アルコールが60g/日と多すぎて正答としては選べない。血圧148/92mmHgはI度高血圧であるが、少し高いだけであることから、正常男性の食塩摂取基準である7.5g/日をベースに考えよ、という出題者の意図なのであろう。7.5に最も近い8を正解候補として選ばざるを得ない。
a 摂取エネルギーが少ない。25を乗じた際に1,665kcalと算出されたため、たしかに下限やや下の値である1,600kcalでもよい気はするのだが、定期的な運動と禁煙の勧奨を行う以上、一気に摂取エネルギーまで厳しく指導するのは現実的ではない。
b 純アルコールが多すぎる。
c 正しい。上記の通り。
d 食塩が多すぎる。
e 摂取エネルギーと純アルコールが多い。

正答率:56%

テーマ:食事指導で指示すべき摂取量

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