111D43

5歳の男児。幼稚園で他の児と遊べないことを主訴に両親に連れられて来院した。運動や言語の発達に問題はないが、視線が合いにくく呼びかけにも反応が乏しい。電車の図鑑に熱中しており、多くの車名を覚えている。幼稚園では1人でいることが多い。診察室では会話はできるが落ち着いて座っていることはできず、自分が興味のあることを一方的に話す。身体所見に異常を認めない。

この患児について正しいのはどれか。

精神遅滞が併存する。
統合失調症へ移行する。
身辺の自立は良好である。
社会性の発達は良好である。
チック障害が併存することは少ない。

解答: c

111D43の解説

視線が合いにくい、限局性の興味、友達を作ろうとしない、多動、等の典型的症状がみられており、自閉症スペクトラム障害の診断となる。
a 「運動や言語の発達に問題はない」とあり、精神発達遅滞は併存しないようだ。
b 統合失調症との関係はない。
c 正しい。友達を作ろうとしないも、幼稚園で1人でいることができているわけで、身辺の自立は良好と言えよう。
d 社会性の発達は不良。
e チック障害の併存もみられる。

正答率:51%

テーマ:自閉症スペクトラム障害〈ASD〉について

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