111D25

28歳の女性。3週間前から続く鼻汁と鼻閉とを主訴に来院した。3日前に症状が悪化し、両側頬部の鈍痛と38℃台の発熱が出現した。職業は保育士。身長163cm、体重54kg。体温37.8℃。脈拍84/分、整。血圧122/70mmHg。副鼻腔エックス線写真で両側上顎洞に濃い陰影を認める。咽頭と鼻腔の内視鏡像(A、B)を別に示す。

治療を開始する際に必要な検査はどれか。

CRP
細菌培養検査
末梢血好酸球数
血清抗原特異的IgE
インフルエンザウイルス迅速抗原検査

解答: b

111D25の解説

鼻汁、鼻閉、両側頬部の鈍痛と発熱。画像ではBにて鼻腔の膿性鼻汁を、Aにてそれが咽頭へ降下してきた後鼻漏を、それぞれ指摘可能。副鼻腔エックス線所見(両側上顎洞に濃い陰影)より急性副鼻腔炎を考えたい。
a CRPは上昇している可能性が高いが、治療開始の指標とはならない。
b 正しい。原因菌を同定すべく、培養検査を抗菌薬投与前に行う。
c・d アレルギー性鼻炎の検査である。
e 文字通り、インフルエンザウイルスの検査である。急性副鼻腔炎の原因菌としてインフルエンザ桿菌は多いも、インフルエンザウイルスは関係ない。
109D27の改題と考えられる。当時は治療薬として抗菌薬を選ばせていた。

正答率:83%

テーマ:急性副鼻腔炎の治療開始前に必要な検査

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