111G45

1か月の乳児。健康診査のため母親に連れられて来院した。母乳栄養で1日10回哺乳し、便は黄色泥で4、5日に1回出る。固視するが追視はせず、大きな音がすると、万歳をするように両手を上前方に突き出した後に抱え込むような動作がみられるという。身長53cm、体重3,680g(出生時体重2,850g)、頭囲37cm。皮膚に黄染を認める。顔面に紅色丘疹の集簇を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。

母親への説明として適切なのはどれか。

「光線療法を行いましょう」
「顔に抗菌薬の軟膏を塗りましょう」
「肛門を綿棒で刺激して排便を促しましょう」
「体重が増えていないので、ミルクを加えましょう」
「てんかん発作があるので、抗てんかん薬を飲ませましょう」

解答: c

111G45の解説

成人とは異なる特徴的な症候がみられた場合、それが乳児にとって生理的なのか病的なのか、を線引するスキルが重要となる。
a 母乳栄養児では、1か月時点でも軽度黄疸がみられる。生理的範囲内である。
b 顔面にみられる皮疹は新生児痤瘡である。生理的な症候であり、対応は必要ない。
c 正しい。母乳栄養児は便が柔らかくなるため、排便が成人より多くなることが多い。4〜5日に1回、というのは便秘気味である。肛門の綿棒刺激が有効。
d 1か月で830gの体重増加があり、十分である。
e 大きな音に対して万歳をするように両手を上前方に突き出すのはMoro反射である。生理的徴候。

正答率:50%

テーマ:便秘気味の1か月児の母親への説明

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