111F19

56歳の男性。健康診断で高血圧を指摘されて来院した。これまでの健康診断では異常を指摘されたことはなかった。喫煙は15本/日を35年間。初診時の血圧は162/102mmHg。精密検査の結果、本態性高血圧症と診断された。担当医は患者に選択できる治療法とそれぞれの利益と不利益とについて説明した後、降圧薬による治療が望ましいと説明した。患者は担当医の説明を十分に理解したようであったが、「先生の言われたことは理解できましたし、薬による治療が必要であることについてもよく分かりました。しかし、現時点で薬を飲むことには抵抗があり、今すぐ決めることは難しいです」と述べた。医師は「そうですか、決めるのは難しいのですね」と患者の考えを受けとめた。

それに続く医師の言葉として最も適切なのはどれか。

「それでは薬は使わないようにします」
「飲みたくない理由を教えてください」
「あなた自身で決めなくてはなりません」
「従ってもらえないなら、今後診察はできません」
「高血圧のリスクについて十分理解していないようです」

解答: b

111F19の解説

本態性高血圧症の診断を受けた56歳男性。十分に理解できているが、なかなか内服開始に抵抗があるようである。
a 患者は降圧薬の必要性を理解しており、血圧は162/102mmHgとII度高血圧症であるので治療が必要な状況である。諦めてはならない。
b 正しい。まずは患者の訴え・不安を傾聴することが大切である。その上で不安を除去し、内服を受容できるよう導く。
c・d 突き放すような言葉をかけては今後この患者がますます医療に対して不安・不信を抱くことにもなりかねない。
e 患者はすでに十分必要性について理解できているので、この言葉は意味をなさない。

正答率:98%

テーマ:薬を飲むことに抵抗を示す患者にかける言葉

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