110E43

20歳の女性。声が出なくなったことを主訴に友人とともに来院した。今朝、いつもどおりに大学に行ったが、1限目の講義が終了したころから声がかすれるようになり、1時間後には全く声が出なくなった。友人とともに保健管理室で相談したところ、医療機関へ行くことを勧められたため受診した。1年前から部活動での人間関係のトラブルを契機として、不安感や情動の不安定性が出現し治療を受けていた。受診時、筆談は可能で理解力は保たれ、意識は清明と考えられた。発声できないこと以外に神経学的所見に異常を認めない。血液生化学所見、脳波および頭部CTで異常を認めない。
この患者にみられるのはどれか。
解離
転換
離人症
被影響体験
させられ〈作為〉体験

解答: b

110E43の解説

若年女性の失声。人間関係のトラブルを契機として、不安感や情動の不安定性が出現していたという。転換による機能的失声が考えやすい。
a 健忘や遁走、別人格が出現する状態。
b 正しい。上記の通り。
c 自我意識の障害であり、自分が自分ではないかのように感じる状態。
d 統合失調症にみられる障害であり、他人の影響により自己の身体異常が出現していると感じる状態。
e 統合失調症にみられる障害であり、他人に操られているかのように感じる状態。

正答率:50%

テーマ:転換の診断

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