110C22

11歳の男児。転倒して頭部を受傷したために母親に連れられて来院した。30分前にプールサイドで転倒し右の側頭部から頭頂部を段差の角に打ち付けたとのことである。来院時、意識は清明。体温36.2 ℃。脈拍92/分、整。血圧118/80mmHg。呼吸数20/分。右の側頭部の頭皮に出血を伴う挫傷がある。神経学的所見に異常を認めない。来院時の頭部エックス線写真(A)と頭部単純CT(B)とを別に示す。その後、外来で頭皮挫傷の消毒処置を行っていたところ、意識障害が急速に進行し、JCS III-100、左瞳孔の散大と対光反射消失とをきたしたため、気道、呼吸および循環の補助を開始した。
この時点で直ちに行うべき検査はどれか。
脳波
頭部CT
頭部MRI
腰椎穿刺
脳血管撮影

解答: b

110C22の解説

プールサイドで転倒し右側頭部〜頭頂部を打ち付けた小児。画像Aにて受傷部の線状骨折がみられる。画像Bでは軽度の出血とairの混入がみられる。その後、外来での処置中に意識障害が急速に進行したことから、急性硬膜外血腫を考えたい。血腫が拡大してきたと考えられる。
a・c・e 時間がかかる検査であり、意識障害が急速に進行している現時点で行うべきではない。
b 正しい。凸レンズ状の血腫を証明し、治療へとつなげる。
d 脳圧亢進の可能性が高く、腰椎穿刺は禁忌。

正答率:90%

テーマ:急性硬膜外血腫・意識障害出現時の検査

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