110D46

77歳の男性。易転倒性と認知症とを主訴に来院した。1年前から歩行速度が遅くなっていた。1か月前から転倒や物忘れも出てきたため、心配した家族に連れられて受診した。意識は清明。体温36.4℃。脈拍72/分、整。血圧148/82mmHg。呼吸数16/分。SpO2 98%(room air)。Mini-Mental State Examination〈MMSE〉は22点(30点満点)。上下肢の筋力と腱反射とに異常を認めない。病的反射と感覚障害とを認めない。歩行はすり足、小刻みで、歩隔は広い。頭部MRIのT1強調冠状断像を別に示す。
治療として適切なのはどれか。
深部脳刺激療法
ドネペジル内服
脳室腹腔短絡術
メマンチン内服
レボドバ〈L-dopa〉内服

解答: c

110D46の解説

歩行障害と認知症がみられており、(本患者では示されていないが)尿失禁と合わせた正常圧水頭症の3徴を想起したい。画像では側脳室、シルビウス裂の拡大をみる。
a 錐体外路障害時に不随意運動の治療として用いられることがある。
b Alzheimer型認知症やLewy小体型認知症〈DLB〉の治療薬。
c 正しい。脳脊髄液を体腔に逃がす治療である。
d Alzheimer型認知症の治療薬。
e Parkinson病の治療薬。

正答率:89%

テーマ:正常圧水頭症〈NPH〉の治療

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