110D35

51歳の男性。左の下腹部から側腹部にかけての痛みを主訴に来院した。昨日、仕事中に左背部に軽度の痛みが出現したが30分ほどで軽快した。本日午前8時ころ、出勤途中の電車の中で、突然、左の下腹部から側腹部にかけての強い痛みが出現したため受診した。来院の途中に悪心と嘔吐があった。意識は清明。体温36.3℃。血圧158/94mmHg。顔色は蒼白で冷汗を認める。腹部に反跳痛を認めない。左の肋骨脊柱角に叩打痛を認める。尿所見:蛋白1+、糖(―)、潜血3+、沈渣に赤血球15〜30/1視野、白血球1〜4/1視野。血液所見:赤血球460万、Hb 14.6g/dL、Ht 46%、白血球8,300、血小板22万。血液生化学所見:総蛋白7.1g/dL、アルブミン3.8g/dL、総ビリルビン1.1mg/dL、AST 35U/L、ALT 32U/L、LD 186U/L(基準176〜353)、γ-GTP 45U/L(基準8〜50)、尿素窒素23mg/dL、クレアチニン1.2mg/dL、尿酸8.6mg/dL、血糖92mg/dL、Na 136mEq/L、K 4.0mEq/L、Cl 109mEq/L、Ca 9.2mg/dL。CRP 1.2mg/dL。腹部超音波検査で左水腎症、左腎結石および左尿管結石を認める。腹部単純エックス線写真(A)と腹部単純CT(B)とを別に示す。
この患者で予測される結石成分はどれか。
尿酸
炭酸カルシウム
リン酸カルシウム
シュウ酸カルシウム
リン酸マグネシウムアンモニウム

解答: a

110D35の解説

本文最後に「左水腎症、左腎結石および左尿管結石を認める」とあり、すでに診断はついている。Aでは結石が描出されていないにもかかわらず、Bでは該当部に高吸収域を認めており結石が見える。ゆえに、エックス線透過性の高い尿路結石を考える。
a 正しい。尿酸、キサンチン、シスチン結石はエックス線透過性が高い。
b〜e これらによる結石はエックス線透過性が低い(つまりAで描出されているはずである)。

正答率:92%

テーマ:尿路結石で予想される結石成分

フォーラムへ投稿

関連トピック