109E47

12歳の女児。間欠的腹痛と下痢とを主訴に来院した。生来健康であったが、3か月前から間欠性の腹痛と1日数回の下痢とが出現した。2か月前から体重が2kg減少し、腹痛と下痢とが改善しないため受診した。痔瘻を認める。粘血便を認めない。血液所見:赤血球400万、Hb 9.8g/dL、Ht 33%、白血球6,000、血小板35万。血液生化学所見:総蛋白6.3g/dL、アルブミン3.0g/dL、総ビリルビン0.9mg/dL、AST 30U/L、ALT 35U/L。CRP 2.5mg/dL。
下部消化管内視鏡検査で予想されるのはどれか。
偽膜
憩室
敷石像
ポリープ
輪状潰瘍

解答: c

109E47の解説

あまりに頻回に下痢をするため、吸収不良症候群を呈しているのであろう。血清アルブミン(栄養状態の指標となる)が3.0g/dLと低下している。「痔瘻」というキーワードを合わせ、Crohn病の診断は難しくない。炎症性腸疾患であり、CRPが上昇していても矛盾はない。
a 偽膜性腸炎でみる。
b 憩室炎でみる。
c 正しい。Crohn病では敷石像〈cobblestone appearance〉がみられる。
d ポリープの存在のみでは吸収不良を呈さない。
e 腸結核でみる。

正答率:92%

テーマ:Crohn病〈CD〉の下部消化管内視鏡検査所見

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