109D51

3か月の乳児。激しい咳嗽を主訴に母親に連れられて来院した。約1週前から鼻漏と咳嗽とを認めていたが元気であった。昨晩から発作性に、顔を真っ赤にして途切れなく続く咳嗽と、それに引き続く息を吸い込む際の笛を吹くような音を繰り返したため受診した。体温37.2℃。診察時には呼吸音に異常を認めない。血液所見:赤血球402万、Hb 11.9g/dL、Ht 39%、白血球26,100(桿状核好中球1%、分葉核好中球14%、単球2%、リンパ球83%)、血小板23万。CRP 0.2mg/dL。
この疾患について正しいのはどれか。
空気感染が主体である。
成人期には発症しない。
ワクチン接種は無効である。
潜伏期間は10日前後である。
罹患によって終生免疫は得られない。

解答: d

109D51の解説

「顔を真っ赤にして途切れなく続く咳嗽と、それに引き続く息を吸い込む際の笛を吹くような音を繰り返」す、という記載より典型的な百日咳である。息を吸い込む際の笛を吹くような音はレプリーゼと呼ばれる。リンパ球優位の白血球上昇があることも特徴的。
a 飛沫感染が主体。
b 成人期にも発症しうる。
c DPT-IPVワクチンのP(Pertussis)であり、ワクチン接種が有効。
d 正しい。潜伏期は1~2週程度。
e 感染を繰り返すこともごく稀にあるが、一般的に終生免疫が得られる。

正答率:72%

テーマ:百日咳について

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