109D49

4歳の女児。発熱と頭痛とを主訴に母親に連れられて来院した。数日前から右耳下部の腫脹と疼痛があり、本日の夕方から発熱、頭痛および嘔吐がみられた。夜間に発熱と頭痛とが増強したため救急外来を受診した。意識は清明。体温39.1℃。脈拍132/分、整。呼吸数24/分。SpO2 98%(room air)。咽頭は軽度発赤し、右耳下腺に自発痛を伴う腫脹を認める。項部硬直を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、圧痛を認めない。腸雑音は正常である。
この疾患について正しいのはどれか。
血清リパーゼが高値である。
感染経路は接触感染である。
合併症には伝音難聴がある。
唾液腺由来の血清アミラーゼが高値である。
髄液検査で多形核球優位の細胞数増多がみられる。

解答: d

109D49の解説

4歳児の耳下腺腫脹と項部硬直であり、流行性耳下腺炎とそれに合併した無菌性髄膜炎が考えやすい。
a 急性膵炎を合併すれば高値となりうるも、その所見には乏しい。
b △。ウイルスの多くは上気道で増殖しやすいため、飛沫感染が主となる。が、むろん例えば罹患児が指しゃぶりをして、その手経由で接触感染することもある。そのため、本選択肢は100%誤りとまでは言えない。本文では他に明らかな選択肢がある以上、正答とはならない。
c 感音難聴を合併しうる。
d 正しい。アミラーゼ上昇をみる。通常の流行性耳下腺炎では唾液腺由来の血性アミラーゼがみられるが、急性膵炎を合併した場合は膵由来のアミラーゼも陽性となる。
e 無菌性髄膜炎であるため、単核球優位。

正答率:77%

テーマ:流行性耳下腺炎〈ムンプス〉髄膜炎について

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