109A41

45歳の男性。人間ドックで右腎の腫瘤を指摘されて来院した。1か月前の人間ドックの超音波検査で右腎に直径3cmの腫瘤を指摘された。自覚症状はない。体温36.3℃。血圧138/82mmHg。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。尿所見:蛋白(−)、糖(−)、沈渣に赤血球1〜4/1視野、白血球1〜4/1視野。血液所見:赤血球440万、Hb 14.8g/dL、Ht 41%、白血球4,600、血小板18万。血液生化学所見:総蛋白7.3g/dL、アルブミン3.9g/dL、総ビリルビン1.0mg/dL、AST 38U/L、ALT 32U/L、LD 216U/L(基準176〜353)、γ-GTP 38U/L(基準8〜50)、尿素窒素14mg/dL、クレアチニン0.9mg/dL、尿酸6.3mg/dL、血糖82mg/dL、Na 139mEq/L、K 4.6mEq/L、Cl 106mEq/L。CRP 0.2mg/dL。腹部造影CTを別に示す。
治療として適切なのはどれか。
免疫療法
放射線治療
抗癌化学療法
分子標的薬投与
根治的右腎摘除術

解答: e

109A41の解説

画像では右腎に内部不均一の腫瘤がみられ、腎細胞癌を考える。検査所見はすべて正常であり、画像のみがヒントとなる。
a・d 肺転移を有する場合、サイトカイン療法(インターフェロンαやインターロイキン2)や分子標的薬が有効。これについては107I78で出題あり。
b 腎細胞癌に対する放射線はあくまで補助的に使用される。
c 腎細胞癌に対して抗癌化学療法は無効。上記の107I78のほか、108D57でもシスプラチンが無効であることが出題されており、この事実をどうしても伝えたい出題者がいるようだ。
e 正しい。CTは1スライスしか提示されていないが、少なくともこの断面における転移はみられず、腎摘除が有効と考えられる。

正答率:92%

テーマ:腎細胞癌〈RCC〉の治療

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