109A21

31歳の初産婦。骨盤位で選択的帝王切開を受けるため妊娠38週に入院した。手術室で静脈路確保後に側臥位で脊髄くも膜下麻酔を施行された。皮膚切開予定部位の消毒のため仰臥位となったところ、3分後に悪心を訴えた。意識は清明。呼吸数18/分。脈拍96/分、整。血圧86/56mmHg。SpO2 98%(room air)。胎児心拍数120/分。
輸液速度を速めるのと同時に行うのはどれか。
気管挿管
笑気の吸入
半坐位への体位変換
アドレナリンの静注
患者左側方向への子宮の用手的移動

解答: e

109A21の解説

仰臥位となって3分後に悪心を訴えており、仰臥位低血圧症候群が考えやすい。胎児による下大静脈圧迫により、心臓への還流が妨げられ、前負荷が低下してしまうのが原因である。
a 気道のトラブルではない。
b 麻酔が足りていないわけではない。
c 半坐位ではさらに上半身への血流が低下するため、病態が悪化する。
d 心収縮が低下しているわけではない。
e 正しい。左側臥位にする、というのが過去問のパターンだが、本問では同じことをeのように述べている。

正答率:85%

テーマ:仰臥位低血圧症候群への対応

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