109H24

56歳の男性。2か月前から乾性咳嗽が持続し軽快しないため来院した。咳嗽は食事や会話の際に悪化する傾向がある。時々、胸やけや嗄声も自覚している。発症時から発熱はない。降圧薬を服用したことはない。これまで気管支拡張薬、副腎皮質ステロイド吸入薬、抗アレルギー薬および抗菌薬による治療を受けたが改善しなかった。聴診所見、呼吸機能検査および胸部エックス線写真に異常を認めない。
咳嗽の原因として最も考えられるのはどれか。
咳喘息
感染後咳嗽
胃食道逆流症
慢性閉塞性肺疾患
副鼻腔気管支症候群

解答: c

109H24の解説

「胸やけ」「嗄声」より胃食道逆流症〈GERD〉が考えやすい。嗄声は胃液の気管内流入による喉頭障害が原因と考えられる。
a 咳喘息とは慢性の気管支炎により気道が狭窄した病態を指す。気管支拡張薬が有効となる。
b 発症時から発熱はないため、感染後咳嗽は否定的。
c 正しい。上記の通り。
d 慢性閉塞性肺疾患〈COPD〉では胸部エックス線写真で透過性の亢進や横隔膜の平低化をみる。
e 慢性副鼻腔炎と下気道の炎症をみる疾患の総称。びまん性汎細気管支炎〈DPB〉が代表例である。本患者では副鼻腔炎もみられておらず、胸部エックス線写真に異常がないことから否定的である。

正答率:93%

テーマ:胃食道逆流症〈GERD〉(逆流性食道炎)の診断

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