109F25

44歳の男性。航空会社の職員に付き添われて空港内の診療所を受診した。持参した英文紹介状の一部を示す。
This patient is a 44-year-old man with a complaint of right flank pain*. The pain suddenly occurred while he was on the airplane. It was colicky and radiated to the right inguinal region. Neither nausea nor diarrhea was associated. He had appendectomy when he was 8 years old.
Urinalysis results:Protein(−), Sugar(−), Occult blood(2+)
*flank pain:lateral abdominal pain
出張のため近隣国へ向かう飛行機内で上記の症状を認めたため、到着直後に現地の空港内の診療所を受診し鎮痛薬を投与された。疼痛は我慢できる程度になり、予定を変更して次の便で日本に帰国した。現在、紹介状に書かれた症状は我慢できる程度に続いており、新たに生じた症状はない。意識は清明。身長165cm、体重68kg。体温37.1℃。脈拍76/分、整。血圧136/76mmHg。
この患者にみられる可能性の高い身体診察所見はどれか。
腸雑音亢進
陰嚢の透光性
腹部血管雑音
Blumberg徴候
肋骨脊柱角の叩打痛

解答: e

109F25の解説

本格的な英文読解を導入した初の問題。ただし、英語の読解さえできれば、尿潜血もあり、尿路結石の診断は容易であろう。今後はもう少し複雑な英文読解が要求される問題が出題される可能性もあるだろう。
a 単純性イレウスでみる。
b 陰嚢水腫でみる。
c 腹部大動脈瘤や腎血管性高血圧でみる。
d 腹膜炎でみる。
e 正しい。尿路結石では肋骨脊柱角の叩打痛をみる。
【全訳】44歳の男性で右の側腹部痛を主訴としています。痛みは機内で突然生じました。疝痛であり、右鼠径部に放散を認めます。嘔気や下痢はみられていません。8歳時に虫垂炎の手術歴があります。尿所見:蛋白(-)、糖(-)、潜血(2+)。

正答率:83%

テーマ:尿路結石の身体診察所見(英語問題)

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