108G57

7か月の乳児。嘔吐と下痢とを主訴に母親に連れられて来院した。昨日未明から頻回の嘔吐が始まり、夕方からは水様下痢も始まった。尿は昨晩から出ておらず、ぐったりしている。身長61cm、体重6.3kg(1週前は7.0kg)。体温38.2℃。心拍数140/分、整。血圧72/56mmHg。呼吸数20/分。SpO2 98%(room air)。全身状態は不良。大泉門は陥凹。項部硬直を認めない。咽頭に発赤を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は陥凹し、軟で肝・脾を触知しない。皮膚のツルゴールは低下している。血液所見:赤血球460万、Hb 15.0g/dL、Ht 45%、白血球11,000(分葉核好中球53%、好酸球3%、好塩基球2%、単球2%、リンパ球40%)、血小板22万。血液生化学所見:総蛋白7.8g/dL、アルブミン5.0g/dL、尿素窒素24mg/dL、クレアチニン0.4mg/dL、血糖80mg/dL、Na 128mEq/L、K 4.2mEq/L、Cl 88mEq/L。直ちに輸液を開始した。
輸液の組成として適切なのはどれか。
Na+
(mEq/L)
K+
(mEq/L)
Cl
(mEq/L)
Lactate
(mEq/L)
ブドウ糖
(g/dL)
a 0 0 0 0 5.0
b 154 0 154 0 0
c 84 20 66 20 3.2
d 35 20 35 20 4.3
e 30 0 20 10 4.3

解答: b

108G57の解説

乳児の脱水。体重減少は10%であり、軽症~中等症と言える。Naが128mEq/lと低値を示しており、低張性脱水と診断される。
a 5%ブドウ糖液。高張性脱水に有効。
b 正しい。生理食塩水であり、低張性脱水に有効。
c 2号液。無尿であり、Kを含む輸液は回避したい。
d 3号液。無尿であり、Kを含む輸液は回避したい。
e 4号液。術後回復液とも呼ばれる。

正答率:89%

テーマ:嘔吐と下痢をみる7か月乳児への適切な輸液組成

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