108E44

1歳7か月の男児。1歳6か月健康診査を目的として来院した。妊娠・分娩経過を含め、これまで健康診査などで異常を指摘されたことはない。有意語はパパ、ママ、マンマ、バーバの4つを言う。歩くことも可能であるが、最近2週間ほど歩かなくなった。身長78.6cm、体重9.5kg、頭囲52.0cm、大泉門2.3×2.5cm。眼球運動に異常なく、心音と呼吸音とに異常を認めない。泣くときに両側下肢を伸展し、内転、内旋する動きがみられる。
まず行うのはどれか。
脳波検査
頭部MRI
髄液検査
成長曲線の作成
手エックス線撮影

解答: b

108E44の解説

「最近2週間ほど歩かなくなった」というのが問題。1歳6か月であれば頭囲は47cm程度で大泉門は閉鎖していなければならないのだが、本児は頭囲52cmで大泉門が開存している。また、「両側下肢を伸展し、内転、内旋する動き」というのは一種のけいれんであり、脳内の異常を考えさせる。
a 脳波検査はてんかんを疑った場合に実施する。
b 正しい。頭蓋内占拠病変の存在が考えられるため、頭部MRIが有効。
c 脳圧亢進が疑われる状況下での髄液検査は禁忌。
d 成長曲線の作成は低身長を主訴とした場合。1歳6か月検診で78.6cmであれば問題はない。
e 手エックス線撮影は低身長や思春期早発を疑った場合に実施する。

正答率:55%

テーマ:頭囲が大きく大泉門が開大している1歳7か月児でまず行う検査

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