108E46

88歳の女性。急に発症した右上下肢の麻痺を主訴に来院した。頭部MRIで脳梗塞と診断された。入院後、脳梗塞の治療と経管栄養とを行っていた。時々嘔吐があり、むせることがあった。入院後14日から37℃台の発熱があり、咳嗽もみられ、胸部エックス線写真では両側下肺優位の浸潤影を認めた。抗菌薬を投与したが奏効せず、呼吸不全で入院後28日に死亡した。死因や肺病変の診断を目的に病理解剖を行った。病理解剖の肺組織のH-E染色標本(A、B)を別に示す。
診断として最も考えられるのはどれか。
肺水腫
肺腺癌
嚥下性肺炎
気管支拡張症
特発性肺線維症

解答: c

108E46の解説

「時々嘔吐があり、むせることがあった」という記載が決め手となろう。誤嚥性肺炎を考えたい。画像Aでは気管支周囲の好中球浸潤が、画像Bでは誤嚥した異物と異物巨細胞(異物をとりこんだマクロファージ)がみられる。
a 肺水腫は左心不全にてみられる。胸部エックス線で浸潤影は出現しない。
b・d・e たまたま脳梗塞と併存していた可能性はあるが、病歴が合致しない。
c 正しい。上記の通り。

正答率:91%

テーマ:嚥下性肺炎の診断

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