107E61

次の文を読み、61~63の問いに答えよ。
20歳の男性。目が開きにくいことを主訴に来院した。
現病歴:山菜採りに行き、右前腕を虫に刺され痛みを感じたが、そのままにして昼食をとった。食後、約30分してから両眼瞼が開きにくくなり、息苦しさを自覚するようになったため、友人に連れられて来院した。
既往歴:5歳で気管支喘息。
生活歴:山菜採りが趣味で、虫に刺されることが多い。
家族歴:特記すべきことはない。
現 症:意識レベルはJCS II-10。体温37.5℃。脈拍100/分、整。血圧80/50mmHg。呼吸数20/分。SpO2 85%(room air)。呼びかけると息苦しさを訴えせき込む。心音に異常を認めない。頸部と胸部とにwheezesを聴取する。頸静脈の怒張を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。体幹に膨疹を多数認める。顔面の写真を別に示す。
まず行う処置はどれか。2つ選べ
導尿
酸素吸入
胃管挿入
気道確保
胸骨圧迫

解答: b,d

107E61の解説

虫に刺された後、呼吸困難や血圧低下をみている。気管支喘息の既往もあり、アナフィラキシーが考えやすい。
a 残尿が多い場合は一考の価値があるも、特に本問では記載がない。
b 正しい。息苦しさがあり、SpO2も85%と低下がある。酸素吸入が望ましい。
c 胃内容の逆流などはなく、不要な処置である。
d 正しい。息苦しさはアナフィラキシーによる気道狭窄が原因と考えられる。気道確保が急がれる。
e 脈拍、呼吸ともに残存している。心肺停止状態ではないため、今すぐの胸骨圧迫は不要である。

正答率:97%

テーマ:【長文1/3】虫さされを契機としたアナフィラキシーショックにまず行う処置

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