107D44

69歳の女性。両上肢の感覚異常を主訴に来院した。数か月前から両手から上腕にかけてびりびりした感覚を自覚し、増悪したため受診した。24歳時に関節リウマチと診断され、以後、現在まで薬物治療を継続している。7年前に両側膝関節の人工関節置換術、3年前に右肘の人工関節置換術、1年前に右手指伸筋腱断裂に対する手術を受けている。歩行は不安定で杖を用いてかろうじて自力歩行している。意識は清明。体温、呼吸、脈拍および血圧に異常を認めない。握力は右9.5kg、左7.0kg。
現在の症状をきたす病変部位はどれか。
頸椎
胸椎
肩関節
肘関節
手関節

解答: a

107D44の解説

関節リウマチと診断されている。主訴は両上肢の感覚異常であり、特に両手~上腕だという。この領域はC5~Th1の神経根で支配されている。
a 正しい。上記のようにC5~C8神経根が障害されている可能性が高い。これは関節リウマチによる関節破壊で頸椎が障害され、この部分から出る神経根が侵されているためである。
b Th1神経根は一部上肢を支配しているも、手の支配はしていないため、胸椎単独の障害は考えにくい。
c~e これらでは両側の広範な感覚異常が説明つかない。

正答率:87%

テーマ:関節リウマチ〈RA〉患者に起きた頸椎圧迫の診断

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