107B49

次の文を読み、49~51の問いに答えよ。
77歳の男性。歩行困難のため搬入された。
現病歴:最近手のしびれを自覚したため1か月前からかかりつけ医でビタミンB12を投与されていた。今朝、散歩中に公園のトイレで一時的に意識がもうろうとなり転倒した。すぐに意識は回復したが、右殿部の強い痛みで歩けなくなったために救急車を要請した。日常生活は自立していた。
既往歴:3年前に軽い脳梗塞を発症し、アスピリンを内服している。残存する上下肢の麻痺はない。逆流性食道炎、前立腺肥大症および脂質異常症で、プロトンポンプ阻害薬、α1遮断薬およびHMG-CoA還元酵素阻害薬を内服している。
生活歴:無職。要支援1と認定されている。74歳の妻と2人暮らし。
家族歴:父親が肺結核。
現 症:意識は清明。体温36.4℃。脈拍88/分、整。血圧122/64mmHg。呼吸数20/分。SpO2 96%(鼻カニューラ2L/分酸素投与下)。眼瞼結膜に異常を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。心電図に異常を認めない。頭部単純CTでは頭蓋内出血を認めない。
この患者の転倒に最も影響したと考えられる薬剤はどれか。
α1遮断薬
アスピリン
ビタミンB12
プロトンポンプ阻害薬
HMG-CoA還元酵素阻害薬

解答: a

107B49の解説

近年頻出の「高齢者とクスリ」に関する出題。
a 正しい。前立腺肥大症〈BPH〉の治療薬。起立性低血圧の原因となる。
b 脳梗塞既往のため用いられている抗血小板薬。出血傾向となる副作用がある。
c 末梢神経障害の緩和にもちいられるが、大きな副作用はない。
d 逆流性食道炎[胃食道逆流症〈GERD〉]の治療薬。大きな副作用はない。
e 脂質異常症の治療薬。横紋筋融解症の副作用がある。

正答率:83%

テーマ:【長文1/3】散歩中に意識がもうろうとなり転倒した場合に影響したと考えられる薬剤

フォーラムへ投稿

関連トピック

なし