107A45

11か月の乳児。皮膚の発赤とびらんとを主訴に来院した。10日前から顔面に皮疹を認めていた。皮疹は次第に全身に拡大し、びらんを伴うようになった。37.8℃の発熱を認めたが機嫌は良く、食欲も低下しなかった。全身状態は良好。眼球結膜と口腔粘膜とにびらんと出血とを認めない。顔面、前頸部、肘窩、膝窩、鼠径部および陰部にびらんを伴う広範な発赤を認める。血液所見:赤血球416万、Hb 12.8g/dL、Ht 39%、白血球11,200、血小板22万。CRP 0.3mg/dL。来院時の顔面の写真を別に示す。
この疾患の原因となる病原体はどれか。
肺炎球菌
カンジダ
連鎖球菌
黄色ブドウ球菌
単純ヘルペスウイルス

解答: d

107A45の解説

乳児の顔面から始まる、びらんを伴う広範な発赤であり、ある程度疾患が絞られる。決め手となるのが顔面の写真であろう。鼻唇溝にそったびらん面を認めており、ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群〈SSSS〉が考えやすい。
a 肺炎や急性中耳炎の原因となる。
b 鵞口瘡の原因となる。
c 急性扁桃炎や急性糸球体腎炎・リウマチ熱の原因となる。
d 正しい。SSSSは黄色ブドウ球菌が原因である。
e 歯肉口内炎やkaposi水痘様発疹症の原因となる。

正答率:75%

テーマ:ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群〈SSSS〉の原因となる病原体

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