107I63

54歳の男性。肉眼的血尿を主訴に来院した。2週前と3日前とに肉眼的血尿に気付いた。排尿痛はない。既往歴に特記すべきことはない。喫煙は20本/日を34年間。身長167cm、体重59kg。体温36.4℃。脈拍72/分、整。血圧138/80mmHg。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。直腸指診でクルミ大、弾性軟の前立腺を触知する。尿所見:蛋白(-)、糖(-)、潜血1+、沈渣に赤血球5~10/1視野、白血球0~2/1視野。尿細胞診クラスII(陰性)。膀胱内視鏡では可動性のある乳頭状の有茎性の腫瘤を認める。膀胱内視鏡像を別に示す。
次に行う対応として適切なのはどれか。
経過観察
膀胱全摘術
経尿道的切除術
BCGの膀胱内注入
抗悪性腫瘍薬の膀胱内注入

解答: c

107I63の解説

本文内にも記載があるように、膀胱内視鏡像で乳頭状の腫瘤がみられる。膀胱癌であり、肉眼的血尿で発見されていることにも矛盾しない。
a 癌であり、経過観察はできない。
b 有茎性の腫瘤であり、まずはcの切除を行うべき。切除により筋層浸潤が判明した場合、膀胱全摘も考慮される。
c 正しい。有茎性の腫瘤であるため、経尿道的切除術が有効である。
d 膀胱上皮内癌に有効。現時点では上皮内癌なのか、筋層浸潤があるのか、などが分からないためcの切除をまず行うべきである。なお、BCGの膀胱内注入が正解となる場合は109D39のような出題となる。
e しかるべき治療の後、再発予防のためにマイトマイシンCなどの膀胱内注入を行うことがある。

正答率:71%

テーマ:膀胱癌に行う対応

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