107H35

次の文を読み、35、36の問いに答えよ。
32歳の女性。持続する咳嗽を主訴に来院した。
現病歴:2か月前から鼻汁と鼻閉とを感じていた。1か月前から咳を自覚するようになり、3週前から咳が増強し、続いている。特に夜間に咳嗽が強い。
既往歴:5歳時にアトピー性皮膚炎を発症。
生活歴:両親と3人暮らし。事務職。喫煙歴はない。飲酒は機会飲酒。5か月前からハムスターを飼っている。
家族歴:父親が高血圧症で治療中。
現 症:意識は清明。身長160cm、体重50kg。体温36.4℃。脈拍88/分、整。血圧126/72mmHg。呼吸数20/分。SpO2 98%(room air)。咽頭粘膜に発赤を認めない。両側の胸部に強制呼出でwheezesを認める。胸部エックス線写真を別に示す。
診断のために最も適切な検査はどれか。
スパイロメトリー
心エコー検査
気管支鏡検査
胸部単純CT
喀痰培養

解答: a

107H35の解説

アトピー性皮膚炎の背景、ハムスターの飼育開始、などよりアレルギー性疾患を考える。両側の胸部に強制呼出でwheezesを認めており、気管支喘息が考えやすい。画像では肺の過膨張を認めているようにも見えるし、健常ともとれる(気管支喘息の短期的変化のみでは胸部エックス線変化はみられない。長期化する閉塞性障害では肺は過膨張する。本画像からだけではどちらとも判別困難)。
a 正しい。スパイロメトリーで閉塞性障害がみられることが診断の手がかりとなる。状態が悪い場合にスパイロメトリーは実施が困難だが、「強制呼出」ができているため実施可能と判断したい。
b エックス線にて心拡大は認めておらず、心疾患は否定的。
c 気管支狭窄は機能性変化であり、気管支鏡にて器質性変化を描出できる可能性は低い。
d c同様、胸部単純CTにて新しい情報が得られるとも思えない。
e 「咽頭粘膜に発赤を認めない」とあり、感染症は否定的。

正答率:80%

テーマ:【長文1/2】気管支喘息の診断のために適切な検査

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