107G47

4歳の女児。浮腫を主訴に来院した。1週前から顔面の浮腫に両親が気付いていたという。尿量が少ないことも気になっていたという。2か月前に測定した体重は15.0kgであったが、本日は18.7kgである。体温36.6℃。心拍数104/分。血圧86/70mmHg。呼吸数16/分。尿所見:蛋白4+、糖(-)、潜血(-)、沈渣に異常を認めない。血液所見:赤血球480万、Hb 14.8g/dL、Ht 48%、白血球7,300(分葉核好中球51%、好酸球1%、単球4%、リンパ球44%)、血小板40万。血液生化学所見:総蛋白4.9g/dL、アルブミン1.9g/dL、尿素窒素15mg/dL、クレアチニン0.3mg/dL、総コレステロール300mg/dL、AST 15U/L、ALT 15U/L、Na 130mEq/L、K 4.0mEq/L、Cl 95mEq/L。入院の上、治療を行うこととなった。
保護者への説明で適切なのはどれか。
「高蛋白食が必要です」
「塩分制限は必要ありません」
「入院中は絶対安静が必要です」
「副腎皮質ステロイドの治療が必要です」
「体重が元に戻るまで利尿薬が必要です」

解答: d

107G47の解説

尿蛋白4+、アルブミン1.9g/dlであり、ネフローゼ症候群の診断である。腎生検をしないと何とも言えないが、頻度的には微小変化群〈MC〉が考えやすい。
a 低蛋白食とすべき。
b 塩分制限は必要である。
c 症状が強いときには絶対安静が必要となることもあるが、入院中を通じて絶対安静を指示する必要はない。
d 正しい。MCの治療薬としては副腎皮質ステロイドが第一選択となる。
e 利尿薬は浮腫の改善に有効だが、体重が元に戻るまで使用し続ける必要はない。

正答率:83%

テーマ:ネフローゼ症候群を呈した小児の保護者への説明

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