106A59

32歳の6回経妊4回経産婦。妊娠40週1日で、4,100gの男児を経腟分娩した。分娩時間は28時間で、分娩時出血量は400mlであった。分娩4時間後に、凝血塊を含む700mlの性器出血を認めた。意識は清明。体温36.5℃。脈拍96/分、整。血圧96/48mmHg。呼吸数18/分。腟鏡診で分泌物は血性中等量で、頸管と腟壁とに裂傷を認めない。内診で子宮口は2cm開大し、子宮底は臍高で軟らかく触知する。血液所見:赤血球360万、Hb 9.8g/dL、Ht 37%、白血球5,600、血小板30万。CRP 0.2mg/dL。
分娩4時間後の出血の誘因として考えられるのはどれか。3つ選べ
母体年齢
分娩回数
分娩週数
児体重
分娩時間

解答: b,d,e

106A59の解説

男児を経腟分娩した32歳の6回経妊4回経産婦である。分娩後に、凝血塊を含む700mlの性器出血を認めている。頸管と腟壁とに裂傷を認めず、子宮底は臍高で軟らかく触知することから弛緩出血の診断となる。
a 高齢出産は弛緩出血の原因となり得るが、高齢出産とは35歳以上の出産でのあり、本例は当てはまらない。
b 正しい。弛緩出血は多経産が原因となるため、6回経妊4回経産婦である本例は誘因となり得る。
c 分娩週数は正常であり問題ない。
d 正しい。本例は4,100gと巨大児であり、子宮の過伸展により出血が誘発される。
e 正しい。分娩時間は28時間と遷延しており、弛緩出血の原因となる。

正答率:75%

テーマ:弛緩出血の誘因

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